Sepoliaテストネットで上海起動へ
イーサリアムの次期アップグレードである「上海(Shanghai/Capella)」のテストスケジュールが、イーサリアム財団によって21日に更新されました。
「上海」アップグレードは、プライベートバリデータが参加するテストネット「Sepolia」において、3月1日1時(日本時間)にエポック 56832で起動する予定となっています。
また、イーサリアム財団はSepoliaのGitHubリポジトリに、「上海」のクライアントソフトウェアが公開されている旨を告知しました。
一方、「Goerli」というパブリックバリデータが参加するテストネットや、イーサリアム・メインネットでの「上海」アップグレードの実装時期については、今後アナウンスされる予定です。
テストネットでの「上海」実装プロセスを通じて、仮想通貨取引所やステーキングプールなどのサービスプロバイダーは、本番前にステーキングETHの出金動作をチェックすることができます。
Ethereum Newsによると、正式な発表はされていませんが、本番環境での「上海」実装は、3月末から4月頃に起動される可能性があるとのことです。
なお、2023年2月8日には、「上海」を起動するための専用テストネットZhejiang(浙江省)が、イーサリアムのステーキング引き出しツール用に開設されました。
ETH出金機能に市場の関心
イーサリアムの「上海」アップグレードには、開発環境の改善提案が含まれていますが、主な目的はバリデーターの出金機能のロックを解除することです。
イーサリアムのバリデーターは32 ETHをステーキングし、年利4%〜6%の報酬を受け取ります。
しかし、アップグレードが完了するまで、ステーキングを終了したり報酬を引き出すことはできません。
公式ウェブサイトによると、現在イーサリアムには51.6万のバリデーターが存在し、ETH供給量の13.85%に当たる1,650万 ETH(約3.5兆円相当)がステーキングコントラクトにロックされています。
バリデーター報酬としては約103万 ETHが蓄積されています。
上海アップグレードの完了により、これらのETHが初めて市場に放出可能になるため、多くの仮想通貨市場関係者が注目しています。
Lidoは、ETHステーキング市場の約29%(483万ETH)を占める大手プロバイダーであり、イーサリアムの上海アップグレードに伴い、ETHの出金機能を準備しています。
Lidoでは、デフォルト設定で最速の出金が可能な「turbo」モードと、緊急時に発動する大量のスラッシュ(ETH2.0のペナルティ)が発生した場合に利用される「bunker」モードがあります。
Lidoのウェブサイトによると、「turbo」モードの場合、出金期間は2-7日間と説明されています。
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