ルーティーンでストレスを緩和する

ライフハック

日本に「ルーティーン(日課)」という言葉を広めたのは、アメリカ大リーグで活躍したイチローでしょう。

日本のオリックス・ブルーウェーブで7年連続で首位打者を獲得し、日本人野手として初めて大リーグに挑戦。

シアトル・マリナーズでのルーキーイヤーから首位打者、盗塁王、最多安打、MVP、ゴールデングラブ賞などを総なめにし、2010年まで10年連続で200本安打を記録しました。

大リーグの投手たちからの対策をかいくぐりながら、10年もの長きにわたって安定して見事な成績を収めるには、体を良い状態で維持し続けなければいけません。

そのイチローのコンディションを支えているのが日々のルーティーンです。

彼の打席での動きを見ていると、毎回寸分違わぬ準備運動をしてからバッターボックスに入ることに驚かされます。

軽くバットを振り、右足を回し、左足を回し、軽く屈伸してからバットでスパイクを右、左の順番で叩き、足場をならして、バットの松脂に触れ、お馴染みのバットを立てる仕草をして、袖を引っ張る……。

以上が打席でのルーティーンだが、それは試合前・試合後の行動にも及びます。

イチローは翌日のゲームの開始時間から逆算して、寝る時間、起きる時間、食事の時間など、すべてのスケジュールを決めています。

年間の試合日程はシーズン開幕時にわかっているので、イチローの1年間の動きはシーズン開幕と同時に自動的に決まってしまっているのです。

こう見ていくと、イチローは毎年優秀な成績を残すために、苦労してルーティーンを守る求道者のようだが、内実は大きく違います。

不安症やストレスの専門家スティーブ・オルマ博士によると、ルーティーンには、ストレスを緩和する強い効果があるといいます。

つまりイチローは、結果を残すために、苦痛に耐えながらルーティーンを守っているのではなく「いちばんストレスがない1日の過ごし方」を追求していったら、自然とルーティーンが固まり、それを毎年繰り返していたのです。

ストレスフリーを目指しているから、栄養があっても嫌いな食べ物は基本的に口にしない。

シーズン中にカレーや素麺をひたすら食べていたのは有名な話だし、とある遠征先の球場では、必ずあるピザ屋の、あるメニューしか口にしないという逸話もあります。

イチローと同じく、大リーグで通算3000本安打を達成して野球殿堂入りを果たしている大打者、ウェイド・ボッグスも、奇妙なルーティーンを厳しく守ったことで有名です。

彼は、毎日同じ時間に起床すると、試合前に必ずチキンを頬張り、ちょうど150本のゴロをさばき、必ず午後5時17分に打撃練習に入り、午後7時17分にダッシュを行っていました。

敵チームが嫌がらせで球場の時計を狂わせたが、彼は正しい時間にルーティーンをこなしたという伝説もあります。

彼らの習慣から学べるのは、ストレス緩和のためのルーティーンは、別に理に適っていなくても良いということです。

特に、重要な仕事(試験・交渉・スピーチなど)の前には、好きなものを我慢するのもストレスだから、カロリーが多めの食事をとるなど、ふだんは我慢すべき事柄が含まれているほうが自然です。

ストレスを緩和して心の健康を確認するのがルーティーンだから、体の健康はいったん忘れて良いのです。

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