時と場所を選ばず読書する

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ナポレオン・ボナパルトは革命期のフランスに颯爽と現れ、卓越した戦略・戦術で次々に戦争に勝利し、一時はヨーロッパのほとんどを支配した人物です。

彼の戦歴の特徴は、少数の兵力で多数の(ときには数倍の)敵に勝利した戦いが多いことです。

たとえ少数の兵力でも、それを機動的に運用して敵の弱い部分を攻撃すれば、局地戦で勝利することができます。

すると、敵は弱い部分から次々と崩れ、やがて総崩れとなってしまいます。

このようなナポレオンの戦略を、他国の将軍たちが理解するまでには長い時間が必要でした。

そして気づいたときにはすでに、ヨーロッパのほとんどはナポレオンの手中にあったのです。

ナポレオンの優れた用兵術は、膨大な数の書物を読むことで養われたものです。

彼の読書好きは度を越しており、遠征するときも戦場に馬車で多くの本を持って行きました。

長期戦が予想されると、さらに多くの本を持ち込みました。

彼が4週間のエジプト遠征に出発するときは1000冊以上の本を用意したというから驚きです。

このように、戦争に武器や物資だけではなく、「移動図書館」を連れて行く習慣は、ナポレオンが破滅して流刑になるまでずっと続きました。

彼の人生は戦争と読書漬けだったと表現しても言い過ぎではありません。

さらに、本を読むにあたっては時と場所を選ばなかった。

もちろん営舎でも読んだが、馬で行軍するときは馬上でも読書していました。

ちなみに、彼は本を読み終わるとその場に打ち捨てていく奇妙な癖を持っていました。

さて、彼はどのような本を読んでいたのでしょう。

ナポレオンは主に、砲撃の原理、スパルタの戦術、エジプトの歴史、イギリスの歴史、気象学、天文学などについての書物や、『君主論』などを愛読したといいます。

ジャンルは多岐にわたるものの、すべてが広い意味で軍事に関係してくる知識を取り込もうとしていたことがわかります。

ナポレオンの生涯は読書に影響され、助けられてきた人生だったといえます。

偉大な軍人になろうと決心したきっかけは、幼いころに『プルターク英雄伝』を読んだからです。

アレキサンダー大王や、ユリウス・カエサル、ハンニバルといった英雄をロールモデルとしたのです。

また少尉に任官してからは、古今東西の戦略・戦術に関する本を読み漁りました。

彼が世界最古の兵法書『孫子』を読んでいたと推測する人も多いです。

ナポレオンの戦術と『孫子』の兵法には共通点が多いからです。

ナポレオンはヨーロッパ全土に戦火をもたらしたこと、皇帝の座に就いたことで後世においても批判されるが、いっぽうで誰も否定することができない業績も残しました。

それは「ナポレオン法典」を公布したことです。

これは今日の民主主義法体系の基盤となる「所有権」「契約の自由の原則」「過失責任主義」などを定義している、最初の近代的な法体系です。

今日の私たちが言う「法治主義」はこのナポレオン法典が作り出したものです。

このような業績も、読書習慣なくしては生まれ得なかったです。

読書が天才を産み、天才が歴史を変えるのです。

天才ではない人は歴史を変えることまではできないかもしれないが、自分の人生程度は読書することで変えることができるはずです。

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