死ぬまで日記を書き続ける

ライフハック

『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』などで知られるロシアの文豪、レオ・トルストイは、19歳から死ぬまで、60年にわたって日記をかきつづけました。

「なんて小学生のような、つまらない習慣なんだ」と思う人もいるだろうが、彼が日記を書き続けたのには、明確な理由がありました。

それは、自分の日常を記録して冷静に観察し、自己管理のために活用するためでした。

特に彼の日記には、勉強についての記述が多いです。

何を、どのような計画で勉強するのか、その計画は実践されているのかを、彼は日記に記録して自分を管理したのです。

勉強については、こんな率直な記述もあります。

「私は自身にあまりに多くのノルマを課した。すべてを一気に行うつもりだったが、力が足りない」

無理な計画を立てた彼は、その方法が悪かったことを日記に記録して、その間違いを繰り返さないようにしたのです。

トルストイは2歳のときに母を亡くし、9歳の時には父も亡くなって孤児になってしまいました。

学校に通えなかった彼は、自力で研鑽を積み、ロシアで最高の文豪になったのです。

インターネットはもちろんのこと、本が高価だった19世紀末に独学することは簡単ではありませんでした。

厳しい環境で成功するためには、強い意志と自己管理が必要不可欠だったが、トルストイはそれを日記を書く習慣で身につけたのです。

日記には自分の決心を書いた記述も多いです。

以下にまとめてみました。

・したいと思ったことは必ず実行する

・実践するときには一生懸命に行う

・仕事は一度にひとつずつ取り組む

・自分が持っている知恵をさらに育てていく

・本から得た知識は再び読まなくても良いほど完全に自分のものにする

・他人の意見に左右されない

トルストイが死ぬまで書き続けた日記は合計で約20冊もあります。

日常の記録から、勉強の計画とその実践、宗教と哲学への考察、若いときの情欲と女性関係、それに対する罪悪感と反省などが丸ごと記憶されています。

日記を書くことによって作家としての文体の確立にもつながったようです。

かといって、トルストイがずっと実践と反省についてシステマティックに書き続けたのかというと、そうではありません。

日記には次のような内容もあります。

「性欲に対する最も良い態度は、それを我慢することだ。次の良い方法は純潔な女性ひりだけと関係を結び、子供を産んで一緒に育てることだ。次の方法は欲望に屈服して売春宿に行くとか、多くの女性と淫らな関係を結ぶとか、女性と関係を結んだ後に捨てることである。もっと悪い方法は、他の人の妻と関係を結ぶことである。最悪の方法は、不貞な女性と一緒に生きることである」

文豪としては幼稚な内容だし、論理的でもないが、これは当時の彼が初期キリスト教の教えにあこがれ、禁欲生活に関心を持っていた時期に書かれたものです。

驚いてしまうのは、日付は1900年で、彼は1828年生まれだから、これは72歳のときの日記なのです。

彼は老人になっても、まるで思春期の少年が書くような記述を日記に書いていたのです。

だが、これこそ日記の本質をよく表していると思います。

日記には決まった形式もないし、トルストイの事例からわかるように、内容が幼稚でも問題ありません。

今日何をしたのかを記録するだけでもいいし、明日何をするかの計画を書くのも良いです。

自分の悩みを吐露しても、将来の夢について書いても良いです。

日記帳に書いても、手帳に書いても、非公開のTwitterアカウント(セキュリティには気をつけて!)にぶちまけても良いです。

日記が人の能力向上に役に立つのは、ここで詳述するまでもなく科学的に証明されていることだから、読者も形式を気にせず、まず書き始めてはいかがだろうか。

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