こんにちは。
今回は瀧靖之さん郷和貴さんが書かれた、「脳医学の先生、頭が良くなる科学方法を教えてください。」
という本をご紹介していきたいと思います。
この本は
・脳のパフォーマンスを上げる方法を知りたい。
・科学的根拠に基づいて知りたい。
・頭が良くなりたい、脳のパフォーマンスを上げたい。
そんな思いは多くの人が思っていることでしょう。
しかし、脳の力って子供の頃にしか伸びないのでは??
と諦めてしまっている方もいるでしょう。
しかし、この本では子供はもちろんのこと、大人でも脳を成長させることが可能だということが多くの論文を根拠にしてわかりやすく解説されているので、ぜひとも、その本の一部をご紹介させていただきたいと思います。
それではさっそく紹介していきます。
本日の項目は以下の項目となります。
・大人でも脳のパフォーマンスを上げることができる。
・鍵は「運動」「趣味」「コミュニケーション」「食事」「睡眠」「幸福感」である。
というわけで
1頭が良くなる方法
2脳が若々しく保つ方法
3幸福の鍵「メタ認知」
という順番でご紹介していこうと思います。
1頭が良くなる方法

この章では頭が良くなる方法についてご紹介していきます。
紹介するのは「子供の脳を成長させる五つの要素」というポイントです。
脳を成長させるには良く子供時代が大事と言われています。
これは実際その通りです。
では大人になったからもう脳は成長できないのか??
そう言われるとそうでもないのです。
基本的には大人の脳を成長させる方法と子供の脳を成長させる方法は同じだと書かれています。
そこでまず子供の成長させるのに良い方法を簡単に紹介していきます。
この本では、子供の脳を成長させるのにいいと述べているものは5つあります。
それは「熱中体験」「知的好奇心」「自己肯定感」「しなやかマインドセット」「生活習慣」
この5つです。
順に紹介していきます。
熱中体験
まずは「熱中体験」についてです。
頭をよくするには勉強が必要と多くの人は思うかもしれません。
しかし必ずしもそうではないんです。
勉強じゃなくても子どもが興味を持ったことをとことんやらせるのがいい。
と著者は書いています。
著者は以前に「東大脳の育て方」という本の監修を行っています。
東大生といえば、子どもの頃からたくさん勉強をしていたんだろうと思いますよね。
しかし実は東大生によく見られる共通点に勉強ではなく、音楽やスポーツゲームなどで並外れた「熱中体験」をしていたというものがあるんです。
子供の頃に「熱中体験」をすることで集中力が養われるというわけです。
知的好奇心
では次に「知的好奇心」について書いていきます。
前の章では東大生には「熱中体験」を持っていたという共通点がある。
と書きましたが、なぜ「熱中体験」がいいのかというと、それは「知的好奇心」を育むからです。
例えば子どもがサッカー観戦に興味を持ったとします。
するとサッカー選手の名前や過去の成績までどんどん知りたくなり、気がついたら誰にも強制されていないのに膨大な量のデータを自然と覚えてしまうなんてことが起こります。
これが「知的好奇心」のすごいところです。
著者は「知的好奇心」こそ脳の成長の原動力だと考えています。
勉強の暗記は辛くても、自分の趣味に関することなら、苦もなくスラスラ覚えられるという経験は多くの人が持っているでしょう。
実は好きな事は覚えやすいというのには根拠があります。
脳には扁桃体という好き嫌いを判断する領域があります。
そして記憶力に関係しているのは「海馬」という領域です。
この好き嫌いを判断する「扁桃体」と記憶力を司る「海馬」がすぐ近くにあり密接な関係を持っているんです。
だからこそ自分が好きだと感じている物事については苦もなく覚えられるのだと著者は言います。
「自己肯定感」と「しなやかマインドセット」
では続いての章では「自己肯定感」と「しなやかマインドセット」について書いていきます。
「自己肯定感」が大切というのは近年多くの本で言われていることです。
では具体的にはどうすれば子どもの「自己肯定感」を上げることができるのでしょうか??
著者の答えは「結果」ではなく「努力」を褒めてあげることです。
努力を褒められると自分が成長できるんだ、失敗したってまた挑戦すればいいんだと思えるようになり、自己肯定感が高まります。
小学5年生を対象にしたある研究では、努力を褒められた子どもは成績を褒められた子どもよりも学習達成意欲が
高く、失敗した後でも課題に対して前向きに取り組み傾向があるという結果が出ています。
また大学生を対象にした研究でも、努力次第で自分が成長していけると考える学生は、そう考えない学生と比べてしっかり学習目標を設定し失敗から立ち直る能力が高い、ということも出ています。
この失敗してもまた挑戦しようという気持ちというのが「しなやかマインドセット」です。
自分はダメだ。と思い込まずやればできる。と信じて挑戦する気持ちということもできます。
以上が「自己肯定感」と「しないかマインドセット」が重要なものの2つです。
生活習慣
では最後に「生活習慣」についてです。
「寝る子は育つ」という言葉があります。
これは身体が成長するという意味だけでなく、脳にも当てはまると著者は言います。
しっかりと睡眠をとれば脳もきちんと成長していきます。
同様に食事でちゃんと栄養を摂ったり、体を動かして運動したりすることも脳が成長する土台を作ることになります。
睡眠、食事、運動をまとめて生活習慣です。
この生活習慣というのも頭をよくするために重要なものの一つです。
ではここまでの内容をおさらいです。
ここまでの内容は、「頭が良くなる方法」というテーマについて、「子供の脳を成長させる5つの要素」というポイントについて書いてきました。
脳を若々しく保つ方法
続いては「脳を若々しく保つ方法」というテーマについて、本書から2つのポイントをピックアップして紹介していきます。
紹介するのは「運動」「幸福」という2つのポイントです。
ではそれぞれ解説していきます。
運動
ポイントの一つ目「運動」
ここでは「大人の脳」の話をしていきます。
「脳を若々しく保つ」という視点でエビデンスのレベルが高いものが3つあります。
それは「運動」「趣味・好奇心」「コミュニケーション」この3つです。
そしてその次にエビデンスレベルが高いものが「食事」「睡眠」「幸福感」この3つです。
今回はこの中から「運動」と「幸福感」について説明していきます。
ではまず「運動」についてです。
運動が体の健康に良いということはよく知られていると思います。
そして実は脳の健康にも運動はいいんです。
酸素をたっぷり摂り込んで行うウォーキングやランニングなどの有酸素運動を行うと、脳内への血流が増えます。
血流が増えると脳内には
・脳由来神経栄養因子
:血管内皮増殖因子
・インスリン様成長因子
・線維芽細胞成長因子
といった特定の細胞の成長を促すホルモンが放出されます。
今回は細かい説明を省略しますが、これらのホルモンによって脳の成長や維持に必要な栄養が行き渡るということです。
運動が脳に与える影響については多くのエビデンスがありますが、例えば中年期における週2回以上の運動は認知症リスクを約40%下げる。
特に遺伝的に認知症リスクの高い人に効果が顕著に見られたというものや、運動した後に被験者にストレスを与えたところ、そのストレス反応静める動きが見られたといったものがあります。
では一体どの程度の運動をすれば良いのでしょうか??
理想的には息が少し上がるぐらいの早歩き、ジョギング、またそれ以上の強度の運動を週に3回。
1回45分から60分程度やることが、本書では進められています。
そこまで長い時間が取れない場合には縄跳びを10分程度行うことや、筋トレをするだけでも脳機能の維持に効果があるそうです。
以上のような運動ぜひ取り入れてみてください。
幸福感
では続いて2つ目のポイント「幸福感」について
自分が幸せだと感じることを「主観的幸福感」といいます。
この幸福感についての研究が世界中で出されており幸せだと感じることで脳にも良い影響があるということが
わかってきています。
例えば自分は幸せだと感じている人は不幸だと感じている人より約14%長く生きられると推定されています。
この14%というのを先進国の寿命に当てはめると7年半から10年長生きすることに相当します。
これはとても大きいですよね。
ではどんな人が幸福感が高いのかというと
・自分の好きなことを思う存分楽しんでいる。
・社交性が高くて社会と積極的につながっている。
・ボランティア活動のような利他的な活動をしている。
こういう人たちが「主観的幸福感」が高い傾向にあると言われています。
さらにこの「主観的幸福度」は社会的な成功の要因になっているという指摘もあるんです。
幸せだと感じているから社会的に成功できるというわけです。
いやいや成功しているから幸せを感じるのでは??
と思う人もいると思います。
確かにそういう側面もあるでしょう。
しかし、ここでの指摘はその逆もあるのではないか??
ということです。
幸福感のある人が持ち前のポジティブシンキングを活かして成功する。
そういうようなイメージです。
ただ単にポジティブ人間であればいいという話でもありません。
例えば自分だけ幸せになればいいんだと、自分の利益だけを追い求める人は人が離れていって、結果的に孤独を強く感じると言われています。
ですので、もし成功のために幸福感を高めたいと言うならボランティアや社会貢献などに取り組むのが有効です。
すでにお金持ちが社会貢献の意識に目覚めているケースというのは多く、例えばビルゲイツ氏は財団を立ち上げたりしています。
そしてここでもう一つ後ろ向きな性格にもメリットがあるという話を紹介します。
分かりやすいところでいえば子供の頃に不安傾向がある人は、大人になってから致命的な事故を起こしにくいというデータがあります。
このメリットは納得しやすいですよね。
そもそも「不安」という感情は防衛本能です。
自分を守るために必要なものです。
そして別の研究では不安を感じやすい人ほど、隊員の心の状態を敏感に感知することができ、共感性の能力が高いということが分かったというものがあります。
不安になりやすいというのも神様が与えてくれた一種の「才能」だと言えます。
ですので否定したり強制したりすることではないんです。
どんな性格であろうと自分の感情をコントロールできるようになることが持続的な幸福感に繋がるんだと著者は
言います。
自分の感情をコントロールするためには、自分の感情がどんなときにどんな反応を示しやすいのか、把握しておくということがスタートになります。
感情をコントロールするということは自分のことを客観的に見るということでもあります。
この自分のことを客観的に見ることを専門的な言葉で「メタ認知」と言います。
実はこの「メタ認知」こそどんな人でも幸せをつかむためのカギを握っている。
そう著者は言います。
この内容についてはこの後で紹介してきます。
ではここまでの内容をおさらいします。
ここまでの内容は「脳を若々しく保つ方法」というテーマについて2つのポイント「運動」と「幸福感」について解説しました。
3「幸福の鍵 メタ認知」
この章では、「幸福の鍵 メタ認知」というテーマについて、本書から2つのポイントをピックアップして解説していきます。
解説するのは、「あるがままを受け入れる」「メタ認知ができるようになるレッスン」という2つのポイントです。
ではそれぞれ説明していきます。
あるがままを受け入れる
まずポイントの一つ目「あるがままを受け入れる」
この章は「メタ認知」についてです。
「メタ認知」獲得のための第一歩は自分の気持ちに「気付く」ということです。
「メタ認知」は自分のことを「客観的に見る」ということです。
同時に他人のことも同様に客観的に見ます。
感情的にならず判断をせず自分のことも他人のことも、ただあるがままの事実として受け入れるんです。
例えば親の視点を考えてみます。
親は子どものことはよく分かっている。
客観的に見ているそう思いがちです。
しかし実際には意外とそうでないケースが多いと思います。
子どもにはこうあってほしいというバイアスから抜けられない部分があるからです。
このようなバイアスから抜け出して子供のことを客観的に見られるようになったら、今子どもに必要なことはこれだと的確なアドバイスができる可能性が高まります。
さらにもし子どもに「メタ認知」を身につけさせることができたら子供の将来の幸せにも繋がるようになり
ます。
しかしこの「メタ認知」はそう簡単ではありません。
自分自身のことや自分が置かれている環境、自分にとっての課題などを客観的に認識する。
ということが「メタ認知」につながります。
がこれが難しいんです。
なぜかというと脳は普段猛スピードで様々な情報を処理しているからです。
自分自身に関する情報扱う余裕があまりないままに人生を奏してしまっています。
例えば日々仕事に追われている人は目の前にある仕事についてばかり考えてしまうでしょう。
その時自分に関することをどれだけ考えられるでしょうか。
きっと難しいと思います。
近年「デジタルデトックス」という一定期間スマホやパソコンなどのデジタルデバイスから距離を置く取り組みが話題になっています。
これも一種の自分に関することを考える時間を取る手段です。
こういったあえて自分に関することを考えるという時間を取り、自分の脳はこういう癖があるということに気付くことが「メタ認知」には必要なんです。
メタ認知ができるようになるレッスン
では続いて2つ目のポイント「メタ認知ができるようになるレッスン」
著者は「メタ認知」は何歳からでも身につけられるといいます。
まずはとりあえず一度立ち止まって考えてみることから始めることが必要です。
立ち止まりあるがままを受け入れます。
いきなりは難しいことだと思います。
しかし少しずつでも取り組んでいいけば人生が変わるとまで著者は書いています。
自分を卑下することがなくなり子どもとの接し方や配偶者や恋人友人同僚や上司との関係がガラッと変わるからです。
感情のコントロールもできるようにするために自分や他人に関してダメ、許せないと感じるときにあえてそれを受け入れるということも「メタ認知」のレッスンになります。
もちろん毎回できなくてもいいんです。
今少なくとも「メタ認知」という言葉を脳にインプットしておきましょう。
この「メタ認知」という言葉、「メタ認知」のことについてちゃんと覚えてさえいれば、たとえ頭に血が上ってしばらく時間が経った後にでもそういえばあのときあるがままを受け入れていなかったな「メタ認知」できていなかったなぁと気づくことができるでしょう。
「メタ認知」できていなかったと気づく=脳の中で「メタ認知」に関するネットワークを使ったということになります。
ですのでそれを繰り返していけば脳の中の「メタ認知」に関するネットワークが太くなっていくわけです。
脳を成長させる際の一番の敵は「諦め」です。
自分の脳の良いところ悪いところをあるがままに受け入れて卑下しない、過信しないというスタンスで臨めばきっと脳を成長させるはずだと著者はいいます。
出来る事から是非コツコツやっていきましょう。
ではこのあたりで最後に内容をまとめます。
1章が「良くなる方法」
ここでは子供の成長させる5つの要素について解説しました。
2「脳を若々しく保つ方法」
ここでは2つのポイント運動と幸福感について解説しました。
3「幸福の鍵メタ認知」
あるがままを受け入れるメタ認知ができるようになるレッスンという2つのポイントを解説しました。
今回紹介した本「医学の先生 頭がよくなる科学的な方法を教えてください」
についてもっと良く知りたいと思う方はぜひこの本を手にとってお読みください。
それでは今回の本の紹介はこの辺で。
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