ルートヴィヒ・ベートーヴェンは、言うまでもなく音楽史上最も重要な作曲家のひとりです。
ベートーヴェンの作曲スタイルはモーツァルトとよく比較されます。
モーツァルトは曲を最初から最後まで一気に作ってしまったが、ベートーヴェンは簡単な楽想から初めて、何度も修正を入れて曲を完成させていく手法を使っていました。
さらに彼は、作曲を机の上ではなく、散歩しながら進める習慣を持っていました。
ベートーヴェンは毎日、ランチを食べると、紙と鉛筆を持って3~4時間も散歩しました。
たったひとりでウィーンの森を歩くことを好み、歩いているうちに曲想が頭に浮かぶと、すかさず持っていた紙に書き留めました。
初めてメモした曲想はかなり幼稚なものだったそうだが、彼はそのアイデアを発展させて、荘厳な交響曲を作り出しました。
午後の散歩は、彼にとってそれほど大切な時間だったのです。
同じくウィーンで活躍した19世紀の大作曲家、グスタフ・マーラーは、ベートーヴェンの習慣をそのまま取り入れて、ランチの後に3~4時間散歩したといいます。
ベートーヴェンのみならず、各界の天才の日課には、散歩が含まれていることがとても多いです
それだけでも、散歩が人間の創造性を高めることがわかるが、最近では科学者もその効果を立証しています。
2014年にスタンフォード大学の教育学部が中心となって行った研究では、座ったままよりも歩いているときのほうが、新しいことを閃いたり、物事を生み出したりするときに関わってくる「クリエイティブな能力」が、平均して60%も高まることが明らかになっています。
ビジネスマンが毎日3~4時間も散歩することは難しいが、一駅手前の駅で降りてオフィスまで歩いたり、休日に時間をとることはできるはずです。
ぜひ、ひとりきりで散歩しながら仕事や自分の生き方について思索を深めてみて欲しい。
常に考えながら生きる人生と何も考えず生きる人生には多くの差があるのです。
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